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建築学科の田島則行教授が、鹿島学術振興財団の研究助成において、特定テーマ研究助成に2023年、2024年の二年間に助成対象者に選定されました

建築学科の田島則行教授が、鹿島学術振興財団の研究助成において、特定テーマ研究助成に2023年、2024年の二年間に助成対象者に選定されました

1.受賞者氏名
田島則行 教授
 
2.所属
建築学科
 
3.受賞内容
鹿島学術振興財団の研究助成において、特定テーマ研究助成に2023年、2024年の二年間に助成対象者に選定されました。
特定テーマ助成は、「近年の自然・社会環境下で複雑化する諸問題に対して、学問分野を超えた多様な研究グループによる分野横断・融合研究が一層重要になってきています。
本研究助成では、財団が策定する特定テーマに対して、幅広い分野の研究者グループにより様々な視点・問題意識から提案される分野横断・融合研究を助成します。」というものであり、
    • 豊かな地域居住環境を保つための持続的経営に向けたシナリオ構築
    • カーボンニュートラルな社会の早期実現に資する研究
    • 想定外事象から素早く立ち直るための研究
    • インクルーシブな町づくりに関する研究
    • 少子高齢社会における国内建設産業のあり方についての研究
    • 将来の日本における建設分野に関連する社会問題の解決に関する研究
の6つのテーマの内、1つ目の 「豊かな地域居住環境を保つための持続的経営に向けたシナリオ構築」のテーマにおいて選定されました。
そして、2024年度において研究を終えた一般研究助成および特定テーマ助成のうちから、優秀な研究の5題については、発表の機会が設けられました。
 
発表会の概要は以下の通りです。
 
1.開催日:2025年11月6日(木)14:00〜17:00(終了後18:30迄懇親会)
2.会 場:東京都港区赤坂6−5−30 鹿島KIビル地下大会議室
3.発表者 (順不同)
・福山 智子 立命館大学 理工学部 教授
研究課題 「建設用3Dプリンタ施工における積層間付着の改善に向けた材料・工法・システムの開発」
・田中 周平  京都大学大学院 地球環境学堂 准教授
研究課題 「日本各地の湿地・沿岸域における極微小マイクロプラスチック汚染の現況調査」
・乃田 啓吾 東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授
研究課題 「ため池群の提供する生態系サービス評価手法の提案」
・岡 美穂子   東京大学 史料編纂所 准教授
研究課題 「「南蛮貿易」で結ぶモノのデジタル・マップ構築と地域史研究支援 — 社会への還元の取り組みとして —」
・田島 則行  千葉工業大学 創造工学部 教授
研究課題 「建築ストックのコミュニティアセット化を支援する仕組みの提案」

演題名:建築ストックのコミュニティアセット化を支援する仕組みの提案
(英語) Proposal of a system supporting the conversion of building stocks to community assets

  少子高齢化が進行する日本の地域社会において、新しい社会の形に相応しい地域コミュニティの再構築が不可欠である。一方、過去の新築偏重により中古の建築ストックが増え続けた結果、空き家や空きビルが大きな社会問題になってきている。建築ストックや遊休不動産の増大により、地域の治安や安全面に影響があることが懸念され、その問題に対応するには、仕組みとして組織的に空き家や空きビルを再活用する方策が求められている。
 本研究は、上記のふたつの問題を同時に扱うことで相乗効果を狙った、新しいアプローチである。膨大な建築ストックを空間資源としてとらえ、それをコミュニティの活性化や持続性を高められるような場や空間(=コミュニティアセット)として有効に活用できるよう、各地域における住民組織を支援して普及させるための仕組みを検討する。
 まず、アメリカにおけるコミュニティ開発会社(Community Development Corporation: 以下CDC)の普及を支援してきたLISC(Local Initiative Support Corporation)、あるいはイギリスにおける開発トラスト(Development Trust)の普及を支援してきたLocality(旧Development Trust Association)の果たした役割や仕組みを把握し、日本の実情に応じた仕組みのあり方を検証する。また、国内の様々な事例や各地域の課題を視察・把握することで、日本に適切な形を探ることで、日本全国で増加し続ける膨大な空き家(建築ストック)を活用するための課題とその支援方法の課題を整理する。
そして、その仕組みを国全体でネットワーク化することで規模のメリットやノウハウやリソースの共有を図る一方で、各地域ごとに住民組織らを支援する拠点を設けることで、それぞれの地域が独自に抱えている異なる実情に応じて活動・普及できるように仕組みを構成する。この両側からのアプローチで、より波及力の高い効果が期待できる。

他大学の研究者らも一緒に進めた共同研究であり、共同研究者は以下の通り。

■共同研究者リスト:
(氏名)田島則行 (所属機関・職名)千葉工業大学 教授
 (分担課題)全体統括/建築設計・計画・都市再生の研究
(氏名)広田直行 (所属機関・職名)日本大学 教授
 (分担課題)地域固有の課題解決/公共建築ストックの研究
(氏名)広田直行 (所属機関・職名)日本大学 教授
 (分担課題)地域固有の課題解決/公共建築ストックの研究
(氏名)山崎 亮 (所属機関・職名)関西学院大学 教授
 (分担課題)地域固有の課題解決/コミュニティ・デザイン研究
(氏名)権藤 智之 (所属機関・職名)東京大学 准教授
 (分担課題)建築構法等/建築ストックの構法・再生の研究
(氏名)奥村 誠一 (所属機関・職名)文化学園大学 准教授
 (分担課題)建築構法等/既存不適格建築の再生設計の研究
(氏名)森田 芳朗 (所属機関・職名)東京工芸大学 教授
 (分担課題)建築ストック活用/空き家活用とエリアマネジメント研究
(氏名)大谷 悠 (所属機関・職名)福山市立大学 専任講師
 (分担課題)建築ストック活用/空き家の活用・連携の研究
(氏名)田村 誠邦 (所属機関・職名)明治大学 特任教授
 (分担課題)不動産金融システム等/住民参加型プロセスの研究
(氏名)中城 康彦 (所属機関・職名)明海大学 教授
 (分担課題)不動産金融システム等/建築ストックの金融システム開発の研究
(氏名)河野 直 (所属機関・職名)つみき設計施工社 代表
 (分担課題)支援・教育・普及化プロセス/住民共同による場の形成研究
(氏名)納村 信之 (所属機関・職名)岡山理科大学 教授
 (分担課題)建築構法等/建築ストックの構法および再生の研究
(氏名)若竹 雅宏 (所属機関・職名)福岡女子大学 准教授
 (分担課題)地域固有の課題解決/公共建築ストックの研究

今後の展望・本学での取り組みとの関連

・今後は研究成果を論文へのまとめを継続していく。 論文としてまとめ、コミュニティ・アセット論の発展。
・新しいコミュニティ・アセットの仕組み化に関する著書をまとめる。
・コミュニティ・アセット論:行政の仕組み、つながり方、国の仕組みについての対策を打ち出す。
・ 国交省・民都、金融庁・地方経済活性化支援機構のリサーチをとりまとめて、国や政府・行政に仕組み作りへの提言
・ ネットワーク化と情報の共有をはかるUDCイニシャティブのような支援組織を構築する。

本学においては、千葉や成田におけるまちづくりの支援およびコミュニティ・アセット構築を推進して社会課題の解決を図っていくと同時に、九州や東北などの全国におけるまちづくり支援の体制を構築していく。