千葉工業大学

入試情報 研究センター お知らせ 学長だより

ブータン王国ワンチュク国王陛下、ロリーン ジョブズ氏、
リード ホフマン氏に名誉博士の称号を贈呈

ニュース・イベント
千葉工業大学(学長:伊藤穰一)は、去る527日、ブータン王国のジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク 国王陛下(His Majesty King Jigme Khesar Namgyel Wangchuck)、ロリーン・パウエル・ジョブズ氏(Ms. Laurene Powell Jobs)およびリード・ギャレット・ホフマン氏(Mr. Reid Garrett Hoffman)に対し千葉工業大学名誉博士()の称号を贈呈しました。
※)千葉工業大学は令和62月に名誉博士の称号を授与する制度を制定しました。これは、学術文化や社会への功績が特に顕著であると認められ、今後、本学の教育研究への寄与が期待される方、また、今まで本学の教育研究に寄与した功績が顕著であると認められる方に贈られるものです。

名誉博士称号贈呈式は527日、京都(西芳寺)にて挙行され、瀬戸熊修理事長、伊藤穰一学長をはじめ本学役員、各受贈者の関係者など20人が列席し、厳かに執り行われました。
贈呈式では、伊藤学長が名誉博士記の贈呈を行い、各受贈者のご功績をたたえました。また、瀬戸熊理事長から記念品の贈呈が行われました。
  • ワンチュク国王陛下の功績とコメント
    ワンチュク国王陛下の功績
    ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王陛下は、2006年の即位以来、「人民の王」として敬愛され、国民の幸福と文化・環境の保全に深く尽力されてきました。
    米国のクッシング・アカデミーとウィートン大学で学び、英国のオックスフォード大学モーダレン・カレッジで政治学の修士号を取得されたワンチュク国王陛下は、平和的な民主化と国家改革を主導され、特に「国民総幸福量(GNH)」の理念をもとに、若者支援や教育改革を推進されています。
    また、2023年には先進的な都市開発構想「ゲレプ・マインドフルネス・シティ(GMC)」を発表され、ブータンの未来像を示されました。ワンチュク国王陛下のリーダーシップは、倫理観やグローバルな視野を育む教育理念と深く共鳴するものであり、千葉工業大学は、ワンチュク国王陛下の卓越したご功績を称え、名誉博士の称号を贈呈することとなりました。

    ワンチュク国王陛下コメント(和訳・全文掲載)

    ありがとうございます。しかし、これは式典というより、私たちの責任と未来への姿勢を確認する場のように感じます。それは、主体性、目的意識、そして人類への奉仕です。
    私は、伊藤学長、リード、そしてロリーンと多くの時間を過ごすことができ、大変嬉しく思っています。そして、この場に集う皆様に一つお伝えしたいことがあります。彼らは、私がこれまで出会った中で、最も素晴らしい人々です。また、リーダーである私が直面しなければならない最大の課題についても、幾度となく議論を重ねてきました。記憶が正しければ、それは制度の変遷、技術革新、そして環境災害です。そして、私が最も感銘を受けたのは、人間性への信念、目的意識、そして責任を担う私のような人間が持つ革新性と回復力です。それは、私たちが世界のあらゆる問題を解決できるという大きな自信を与えてくれます。少し時間はかかるかもしれませんが、私たちは責任感と知性、そして能力を持って、子供たちがより良い未来を送れるように、その解決策を確実に見つけることができると信じています。
    伊藤学長についても少し触れておきたいと思います。彼は私の親友であり、信頼できる相談相手であり、アドバイザーです。彼は非常に聡明で、私たちが下流に漕ぎ進むよりも速く、彼の思考は上流へと向かうことができます。また、彼を真に際立たせているのは、彼の優しさです。彼は謙虚で、誠実で、間違いなく非常に聡明です。彼は多くの素晴らしいアイデアを生み出しています。特に、私が最も感銘を受けたのは、彼が自分の行動や発言のすべてに大きな意味を込めていることです。ですから、このグループに所属し、ここにいる皆さんを友人と呼べることに、心から感謝しています。本当にありがとうございました。そして、千葉工業大学にも深い感謝の意を表さなければなりません。
    これは生涯忘れられない名誉です。本当にありがとうございました。
  • ロリーン・パウエル・ジョブズ氏の功績とコメント
    ロリーン・パウエル・ジョブズ氏の功績
    ロリーン・パウエル・ジョブズ氏は、創造性と勇気ある発想をもって社会に意義ある変化をもたらしてきた実業家・社会起業家です。
    ジョブズ氏は、スタンフォード大学MBA取得後、エマーソン・コレクティブを設立し、教育・環境・移民・民主主義など幅広い分野における社会課題の解決に取り組んでいます。特に、教育支援団体「カレッジ・トラック」の設立をはじめとした若者支援や、社会的弱者への継続的な支援を通じて、持続可能な変革を実現してきました。多様性と協働を重視するジョブズ氏のリーダーシップは、世界中の変革を志す人々に大きな影響を与えています。希望と実践を融合させるその姿勢は、大学が育成したい人材像とも重なります。
    今回の贈呈は、ジョブズ氏の卓越した功績を称えるものです。

    ロリーン・パウエル・ジョブズ氏コメント(和訳・全文掲載)
    皆様、千葉工業大学から名誉博士を授与されることは、誠に光栄です。千葉工業大学は知識を進歩させるだけでなく、私たちが今生きているこの世界的な危機の時代に、その知識の意義を再定義する大学です。伊藤学長のリーダーシップの下、千葉工業大学は大胆かつ不可欠なビジョンを掲げています。それは、工学を孤立した学問分野としてではなく、この西芳寺の庭園のように、倫理的な探究、地球環境の保全、そして人々のつながりを育む力として捉えるものです。
    さて、皆様、この世紀において、私たちはどのように未来を築いていくべきでしょうか。野心だけでなく、優しさを持って築きましょう。輝かしいものだけでなく、永続するものを築きましょう。そして、分裂からではなく、全体性から築きましょう。そうすることで、私たちは世界に、私たちを癒す何かを与えることができるからです。本日、こうした問いを投げかけ、果敢に答えようとしているこのような大学から表彰されたことを、感謝と希望で胸がいっぱいです。ありがとうございます。
    瀬戸熊理事長、伊藤学長のお二人からこの栄誉を賜り、感謝申し上げます。これからも共に、世界が次に必要とするものを築き上げていきましょう。ありがとうございます。
  • リード・ギャレット・ホフマン氏の功績とコメント
    リード・ギャレット・ホフマン氏の功績
    リード・ギャレット・ホフマン氏は、LinkedInの共同創設者として、世界のビジネスネットワークに革新をもたらした起業家・思想家です。現在も投資家・AI企業の共同創業者として、テクノロジーと人工知能の発展を先導しています。
    スタンフォード大学卒業、オックスフォード大学マーシャル奨学生としての学識に加え、著書やポッドキャストを通じて起業精神や未来の可能性について広く発信。著名な書籍に『The Startup of You』『Blitzscaling』などがあり、起業家・リーダー層に大きな影響を与えています。
    今回の贈呈は、ホフマン氏の倫理的な起業家精神とテクノロジーの社会的活用という価値観を体現する功績を称えるものです。

    リード・ギャレット・ホフマン氏コメント(和訳・全文掲載)

    三つのことを簡単に申し上げます。まず、この瞬間に感謝申し上げます。私たちをお迎えくださった西芳寺、この式典を開催してくださった千葉工業大学の瀬戸熊理事長、主催してくださった西芳寺の藤田さん、そしてすべてをまとめてくださった伊藤学長に感謝申し上げます。そして、友人や同僚の皆様、親愛なる友人である国王陛下とロリーン(ジョブズ氏)と共にここにいられること以上に特別なことは想像できません。心から感謝申し上げます。
    この素晴らしい苔寺(西芳寺)にいられることは、何か象徴的な意味を持っています。この苔寺(西芳寺)は橋のように立っており、現代には橋が必要です。東から西へ、ブータンと日本とカリフォルニアを結ぶ橋、歴史と未来を繋ぐ架け橋です。そして、この瞬間は、人間らしく、今を生きることの大切さを私たちに思い出させてくれると思います。
    そして、これが私の3つ目のメッセージです。私たちは人類としてどこへ向かうのか、何ができるのか、常に希望を持ち続けなければなりません。そして、人間同士や自然に対する思いやりを体現するこのような場所は、その希望を忘れずに具体化する素晴らしいところです。
    西芳寺の皆さん、ありがとうございました。千葉工業大学の瀬戸熊理事長、伊藤学長、ありがとうございました。
News &Topics 一覧に戻る