千葉工業大学

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世界へ開かれた学びの扉             ~千葉工業大学×ASUの挑戦~

 2025年春、千葉工業大学東京スカイツリータウン® キャンパスにて、アリゾナ州立大学(ASU)副学長、ジュリア・ローゼン氏へのインタビューが行われた。ASUは「米国で最も革新的な大学」として知られ、グローバルな課題に積極的に取り組む大学だ。今回の対話では、千葉工業大学とASUの新たな連携の意義、そしてこの連携が学生にどのような可能性をもたらすのかについて語られた。

◇グローバル連携の中核に
 ジュリア氏は冒頭、「千葉工業大学は、評価の高い技術系大学として国際的にも注目されています。この素晴らしいパートナーシップが生まれたことを光栄に思います」と語った。ASUは世界各国の大学と連携し、グローバルネットワークを広げているが、千葉工業大学との連携はその中でも特に戦略的かつ包括的な位置づけにあるという。

学生に広がる新しい学びのかたち
 今回の連携により、千葉工業大学の学生はASUの国際的なカリキュラムにアクセスできるようになる。単なるカリキュラムの輸入ではなく、ASUの教育コンテンツを日本の学生に最適化し、現地化した形で提供する。「ASUの教授陣によるゲストレクチャーや、宇宙・半導体分野での共同研究も進みます。学生たちは1週間の集中プログラムに参加するチャンスもあります」とジュリア氏は語る。
 
テクノロジーを駆使した革新的教育
 ASUは、テクノロジーを駆使した教育革新でも注目されている。ハリウッドのクリエイターと連携し、VRを用いた没入型学習「Dreamscape Learning」を開発。オンラインコースには200以上の技術が組み込まれ、内向的な学生も含め全員が積極的に学べる設計になっている。「時に、オンラインの方が対面授業よりも学生の参加率が高くなり、学びが深まるケースもあります」とジュリア氏は言う。
 
グローバル人材育成への思い
 ASUでは、単なる英語学習にとどまらず、異文化理解やグローバルなネットワーク構築に力を入れている。国際的な学生クラブ、ボランティア活動、起業支援プログラムなど、多様な成長の機会が用意されている。「英語を学び、リーダーシップを取り、起業家精神を育むことが、未来を切り開く鍵です」とジュリア氏は力強く語った。
 
起業家精神を全学生に
 ASUの特徴の一つが、「起業家精神の全学問分野への浸透」だ。エンジニアやビジネスパーソンだけでなく、芸術家や看護師、物理学者も起業家教育を受け、社会課題に挑む力を育てる。今回の千葉工業大学との連携でも、こうしたマインドセットの醸成が期待されている。
 
地域とともに成長する大学
 ASUは地元フェニックス市と連携し、都市再生プロジェクト「Skysong」を通じて年間10億ドル以上の経済活動を創出してきた。大学の知見を地域に還元し、企業やスタートアップを支援する仕組みだ。この経験も、千葉工業大学とのパートナーシップにおいて活かされる見通しだという。
 
長期的ビジョンに基づく提携
 ジュリア氏は、今回の千葉工業大学との連携を「短期的なプロジェクトではなく、数十年にわたる戦略的パートナーシップ」と位置づける。宇宙、半導体、持続可能性といった分野での共同研究、学生と教員の交流、ダブルディグリープログラムの開発など、多層的な協力が進められる予定だ。

日本の学生へのメッセージ
最後にジュリア氏は、日本の学生たちに向けてこう呼びかけた。
「成績だけでは十分ではありません。英語を学び、リーダーシップを磨き、さまざまな経験に挑戦してください。世界を舞台に活躍するために、若いうちに限界を超える努力をしてほしいのです。」
 
スカイツリータウンから見える広がる未来。千葉工業大学とASUの挑戦は、世界へ羽ばたく学生たちに新たな可能性を開くに違いない。