千葉工業大学

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Artificial General Intelligence Research Center

「AGI研究センター」  --- ARC --- 

【概 要】

2025年8月1日、千葉工業大学は汎用人工知能(AGI: Artificial General Intelligence)の実現とその社会的影響に関する学際研究を推進する目的で、「AGI研究センター(Artificial General Intelligence Research Center/略称:ARC)」を設立しました。所長には、深層学習研究を推進し、産業界や政府におけるAI戦略にも深く関与してきた松尾豊教授(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻)を迎えています。

 

【背景と意義】

本センターは、汎用人工知能(AGI: Artificial General Intelligence)の実現と、その社会的な影響に関する研究を学際的に推進する、日本初の先導的な拠点となります。

生成AIの急速な進展により、2030年頃にAGIが実現されるとの予測も出る中、それに伴う科学・産業・行政・社会の変革は、膨大な「機会」とともに深刻な「リスク」をもたらします。技術面だけでなく、倫理・ガバナンス・社会構造に関する総合的な知見が不可欠となる本学では、AGIの実現とその社会的受容を見据えた研究拠点が待望されていました。

 

【研究ミッション】

AGI研究センターは、以下の4つの研究柱を軸に活動を展開します:

革新的AGI技術の創出

  • 世界モデル、物理AIなどを含むAGIアーキテクチャの設計指針や性能最適化手法の体系化
  • 技術ロードマップおよび研究方針の構築

産業・経済インパクトの評価

  • 製造、医療、物流などの業界におけるAGI導入シナリオの描出
  • 業務プロセス、付加価値、雇用構造への影響の定量・定性評価

地政学リスクの研究

  • AGIの進展がもたらす経済安全保障、国家安全保障、国際秩序への影響検討
  • 多層的視点に立ったガバナンスモデルの提案

文明レベルのリスク評価と社会レジリエンス設計

  • 世論形成や意思決定プロセスへの影響分析
  • 存亡リスク(existential risk)への社会的耐性設計


【活動内容】

• 研究プロジェクト:AGIの原理・応用に関する基礎および応用研究

• 産学連携ワークショップ:各産業分野とのケースレビューによる実践的分析

• 国際フォーラム・シンポジウム:ガバナンスや倫理に関する議論の場の提供

• 政策提言:AGI時代における社会的枠組みの形成に向けた提言

• 教育・普及:学内外向け講演会やセミナーを通じた知識共有

 

【研究員紹介】

松尾 豊 所長

人工知能研究の第一人者として国際的に知られる国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 教授


 加藤愛理 研究員